姫乃は眠っていた。人形のように、ちいさくちいさく手足をちぢめて。
折り曲げた身体を閉じこめた光る球体に身をゆだね、眼を閉じている。
ゆら、ゆら、揺れる。ちゃぷん、と水の音が聞こえる。金色の水に沈んで、何も見ない目を開いて。生まれる前の世界へと戻ってゆく。
ほどけた髪が光に透けて、赤みを帯びた金に染まっている。まどろみの世界。どこからか鬼の子守歌が聞こえてくる。
乙女ねえ様が……歌ってくださっているのかしら。
ちりん。
鈴が鳴っている。
穏やかで、静かで。
まるで……夢の中のよう。
姫乃はまた、眼を閉じる。
ここでは何も起こらない、時間さえも意味を持たない。
全部、忘れちまえよ。
誰かが、にっこりと微笑んでいる。ひどく、なつかしくて。
優しくて。
とても怖い。
誰かに似てる。
声がささやきかける。甘く、くちびるに、触れる。
思い出さなくていいよ。
思い出したいコトなんて――キミの人生の中では、ひとつもなかっただろ？
これからもきっと、何も、いいコトなんてないよ。
だったら、ずっと、ここで。
こうして、眼を閉じて。
そう、良い子だ――
ちゃぷん。
水が、揺れる。けだるい吐息が、こぼれる。
甘美な誘いの鎖に囚われの身であることも理解している。同時に悪夢の中であることも。でも、自分の意志で眼を覚ますことはどうしてもできなかった。もし眼を覚ませば、このせつなくもはかない夢の世界が崩壊する。
とりとめもない、平穏。
しゃぼんだまのような、刹那。
夢見る時間が消えてしまったら。外には暗黒が待ち受けている。襲ってくる。
怖い。
こわい。
きっと……あの、窓の向こうには……
ひとりは、いや。
懐かしい、苦い、遠い昔と今とが、二重にぶれた景色となって重なる。
（子ぉとろ子とろ）
（あのこがほしい）
夕暮れ。赤い陽。烏の声。手まりと戯れる猫。表で子供たちの遊ぶ歓声が聞こえる。皆で数珠繋ぎになって遊ぶ鬼ごっこをしているのか。通りの向こうを東から西へ、昔懐かしいわらびもち売りの声が通り過ぎてゆく。
手まりの跳ねる音がした。路地の表へと転がっていってしまったのか、みんなが笑って鈴の音を追いかけてゆく。誰かが朝顔の鉢に突っかかって転んだらしい。鉢が割れて、怒鳴られて。蜘蛛の子を散らすように、わっと逃げ散る。囃し立てる歓声が波のように近づいては遠ざかっていった。笑う声。べそをかく声。諍いの声。
（姫乃）
そんな中、自分だけが、いつも同じ部屋の、同じ天井の、同じ木目模様だけを見ていた。
（具合はどうだ）
雨戸を開ければ風邪を引いた。障子をあければ熱が上がった。日光に当たれば、たちどころに全身がかぶれた。さじいっぱいの重湯すら口に出来ない日々がほとんどだった。
生まれてこの方、一度も、太陽に当たったことがない。外に出ることもできない。
お医者様もいつしか来なくなった。生まれつき血が薄いのだ、いつ死んでもおかしくない、ひそ、ひそ、ささやく声がする。
枕から這い出てくる三尸の蟲は、いつも、こそり、こそりと姫乃の名をつぶやいていた。
きのは、もうすぐ死ぬよ。
いつ、死ぬの。
それはねえ……
（ねえ様）
（心配せずとも良い。たかが虫だ）
姉の乙女は、鬼乃、鬼乃、と名をつぶやき続ける虫を小刀で刺し殺し、血の滲んだ跡を何事もなかったように片づける。
（もし、姫乃の身に何かあるようだったら俺の名前とお前の名前を取り替えてやる。俺が姫乃になってやる）
明るく力づけてくれる声さえ、血の味がする咳にかき消された。
その、姉に。
血が足りない、などと。
血さえあれば、妹の命を長らえさせることが出来るかもしれぬ、などと。
いったい、どこの誰が吹き込んだのか。
古くから家に伝わる錆びたなまくらは鬼の刀だ、と代々言い継がれていたらしい。古から今の世まで、獄文字の一族には、傍流である賽河原家と違い、決して男児が生まれることはなかったという。よってそれまで獄文字の家を継ぐためには賽河原の血を引く婿を必ず取っていた、と伝え聞く。初夜の儀式に、”光月”と、対になる”紅月”をも交わらせることによって、血に血を重ねるのだ、と。
だが。
そうやって脈々と闇に受け継がれてきた”光月”は、ある日、誰の手にも負えぬ闇の刃と化す。鬼辻坂学園を建てた曾祖母もまた、決して”光月”を手にしてはならぬ、と遺言した。
決して抜いてはならぬ。抜けば、血を喰らう羅刹となる――
血さえあれば、という、その、一心で。
姉、乙女が。
闇にもすがる思いで魔性の刀を手にし。
百鬼夜行の群れに身を投じ、自ら、妖刀が喚ぶ異界に”渡って”。
魑魅魍魎を斬って斬って斬り刻んだその手に受けた血の雨を、みずあめに練り混ぜ、薬と偽って姫乃に飲ませた、としても。
いったい、誰がどうして責められようか。
魑魅魍魎の血を、口にした翌朝。
初めて、笑えた。
初めて、陽の光の射す庭に出られた。
歩けるようになった。走れるようにさえなった自分を見る姉の笑顔が、何よりもうれしかった。獄文字の家を覆い尽くしていた暗雲がついに晴れたのか、と思うと、涙がとめどなくあふれて、止まらなかった。
ほんとうに、うれしかった。
そうか、元気になったか。よかったな、と。
両腕にぎゅっと抱きしめて、笑ってくれるその声が、無愛想ながらもはずんでいるのが、うれしかった。しあわせだった。いくら感謝しても、感謝し足りなかった。
姉のくれる薬さえあれば、もう、大丈夫。
もう、何かと心配を掛けずにすむ。
でも、いつしか、違う声が聞こえるようになった。
自分と同じ顔をした誰かが、月下の向こうから手招きする。姉の手を煩わせるまでもない、とささやく。うそぶく。自ら刀を取れ。魔を食らえ。その血を存分に浴びろ、と。姫乃は光る月の声に導かれるまま、姉の首に、牙を――
闇。
あまりにも長い間、ひとりきりでいたせいで。
また、誰かを、傷つけるのが――怖くて。
姫乃は、眠る。
まどろみの中の死を、望み。
泣き、眠る。
「ちいっ……！」
さしもの獄文字乙女も、現状が劣勢であることを認めざるを得なかった。
「こいつら、いったい何匹いやがる」
言葉汚く吐き捨てる。
手にした深紅の鞭は、異形の血にまみれ、腐泥の悪臭に爛れてぐっしょりと濡れていた。血を吸った革はぼってりと腫瘍のように膨らみ、滅多には振り回せない重量へと変わっていた。渾身の力を込めて振り払っても鞭先の切れ味は鈍く、無様に地面へと落ち、あっけなく避けられてしまう。
「この俺ともあろうものが」
獄文字乙女は、戦闘で破れた衣装の裂け目を手で隠しながら、凄絶に笑った。
「焼きが回ったか」
片眼を眇め、舌打ちする。
鈴の音が響き渡っていた。危急を告げ打ち鳴らされる半鐘のように狂気めいている。
背筋が、ぞわりと総毛立つ。
嫌な予感が、ひた、と忍び寄る。
気のせいだ。
不安を押し殺して首を振り、自分自身を確認するために、ぎゅっと鞭の柄を握りしめる。
誰かが耳の奥で嗤っているような気がした。
それを、皮切りに。
血を啜る紅の鞭が、壮絶に舞った。
空を裂く鞭先が刃となって、異形の群れをことごとく刈り飛ばし、野辺送りにしてゆく。
真っ二つに断ち割られた鬼が、斬られたことすら気付かぬまま、数歩前へと歩き、ふいにその場で泥と骨の三枚に下ろされて、ぐしゃりと流れ落ちながら地面に潰れる。
「！」
頭上から、真っ黒な泥の塊がぼたぼたと降ってきた。とっさに避けきれず、肩に貼り付く。
火傷めいた激痛が胸元に走った。
「熱っ……！」
獄文字乙女は反射的に鞭を取り落とし、身体に貼り付いた泥を払い落とした。あらわになった白い肌にくっきりと浮かび上がった鬼の刻印が、曼珠沙華の黒い影となって浮かび上がっている。
「くっ……！」
くちびるを噛み、じり、っと後ずさる。取り落とした鞭を取り戻そうにも、鞭はもう、泥にまみれて苦い煙を上げていた。
みるみる溶けて、小さくなってゆく。
「その鞭は女王様用の特注品だぞ。いったいいくらすると思っている」
胸を片腕で隠しながら、太腿に隠し持っていた護身用の刀子を引っこ抜く。
「……一磨がいなくてよかった」
逆手に握って身を守りながら、白い息を吐き乱して喘ぐ。
じりじりと後ずさる。
「あの変態ストーカーにこんなところを見られたら一生、日の当たる道を歩けないような写真を撮られるわ」
片腕を封ぜられた獄文字乙女の姿に、女子高生の制服を着た外道の鬼が、けたたましくあざ笑った。
制服からはみだした手足はもはや人ではなく、折り曲げられた蜘蛛の足に似て毛むくじゃら。
不気味に広がった顔の洞穴からは、異形の手足が数本、はみ出している。
背後から、手が伸びた。獄文字乙女の腕をぐいと背中側へとねじり上げる。
「ッ！」
はだけられた胸が白く上下に揺れ動く。
獄文字乙女は反射的に右足を軸に腰をひねった。矢のように左の膝をひらめかせる。膝が異形の顔に突き刺さった。ぐしゃり、と、音を立てて鼻から下が砕ける。
「俺に触るな」
だが、それが仇となった。足下から現れた異形の触手が、土を割ってからみつく。
足首からうねうねとまとわりつく。どろり、どろり、粘液を吐く触手が、みるみる足を伝って這い上がる。
「ちっ！」
後ろ手に腕をひしがれ、足下からからみつかれては叶わない。獄文字乙女は地面へとなぎ倒された。
「……っ！」
四つんばいの姿勢に押さえ込まれ、さらに全身にからみつかれる。
近づいてきた鬼は、剛毛の生えた手で、獄文字乙女の顔をまさぐった。喉に爪を立てる。
ぐっ、と力が入った。
息が――
逃れようにも顔は地面に押しつけられたまま。息もできず、手足も動かせない。触手はさらにまとわりついて、全身の肉を鬱血させながら、ぎりぎりと絞り上げてゆく。
「ぐ……姫乃……！」
脳裏に、姫乃の静かな笑顔がよぎる。
乙女ねえ様。
ねえ様。
私、うれしい。そう言ったあの日、初めて、鈴の音を振るような声を立てて笑ってくれた。
これで、ねえ様とずっと――
姫乃は生まれつき身体の弱い子だった。殴られようが蹴られようが傷一つ負わず、遙かに体格の良い不良相手にも平然と立ち向かえた自分と違って。
ある日、気づいた。自分が、一族の生命力すべてを先取りして生まれてしまったことに。
病床の姫乃が咳き込む声を聞くたびに、胸が、張り裂けるように痛んだ。
学校にも通えず、楽しいことを何一つ知らず、ただ、横になっているしかできない妹。
いつも病室で、ひっそりと寝付いていた。柄の悪い姉が外で暴れて、泥まみれになった姿を見ては心配し、武勇伝を聞いては咳き込みながら笑い、また心配そうに付け加えた。
ねえ様、無茶をなさってはいけませんわ。
いつか、お怪我をされるのではないかと姫乃は心配です。
――そのへんの不良どもに負けるとでも思っているのか。俺を誰だと思っている。獄文字の女当主だぞ。馬鹿も休み休み言え。
姫乃に心配される以上に、自分が姫乃の病を案じている、だなどと。
もし、そんな思いを姫乃が知れば、逆に姉の心痛を恐れ、何でもない振りをしようとしてしまうだろう。咳き込むことも止め、苦しんでいる顔を見せることもやめてしまうだろう。一人で病を呑み込み、一人で苦しみを抱え込み、自らを取り返しの付かぬ状態にまで追い込むかも知れない。
どんなに苦しくても。
素知らぬ顔で。
大丈夫ですわ、ねえ様。そんなに心配そうな顔をなさらないで。もう、くるしくありませんから。
笑われてしまったら。
本当に苦しいときに教えてくれなかったら。 咳き入って息も絶え絶えになった背中をさすってやることもできないではないか
案ずるな、俺がここにいる。大丈夫だ、と抱きしめてやることもできないではないか。
涙など、もう、とうに枯れ果てた。妹のために流す涙は、愛しきもののために笑う力、愛しきもののために戦う力へと変えた。
姫乃の、笑顔が、見たかった。
もっと、笑わせてやりたかった。
無理に絞り出した笑みではなく、苦しげな表情に隠されたあきらめの笑みではなく、心から、笑わせてやりたかった。
何でも、できた。姫乃のためならば。
何を厭うことがあろう。それがたとえ――
鬼と手を結ぶことであろうとも。
「姫乃。姫乃……姫乃……！」
獄文字乙女は、身体を縛める異形の触手を引きちぎろうとした。のたうつ縄に噛みつき、食いちぎる。
「っ……離せ！」
口にどろりと苦い粘液があふれた。
ごぼっ、と喉に流れ込む。
獄文字乙女は咳き込み、噛みちぎった口の中のものを吐き出した。
だが抵抗もそこまでだった。さらに触手は力を増し、獄文字乙女の喉にからみつき、口に入り込んで、猿ぐつわのように締め上げてくる。
「ぐっ……！」
喉の奥に、蛇のような触手がのたうち入る。反射的にぎりぎりと噛みついて、それ以上入り込まれないよう押しとどめる。声も、出せない。獄文字乙女は、無様に吐き、のたうった。
制服姿の鬼が、ねじくれた異形の腕を引き連れ、屈み込んでくる。
（キキキッキ……無様……ヒイィアア！）
（死……ネェェエエァァァ……！）
（喰らうてやる、引き裂いてやる、その首から血を啜ってやる、その顔から目玉をえぐり出して、切り刻んで、はらわたを引きずり出してまき散らしてやるわ……！）
喉を締め上げる触手が、ぎり、ぎり、と力を加える。蜘蛛のように広げられた異形の腕に生えた爪が、金属音を立てて打ち合わされる。
「っ……！」
びゅっ、と振り下ろされる。痛みが頬をかすめた。
餌食にされることを恐れているわけではなかった。そんなもの、姫乃を失うことに比べたら滓ほどの痛みも感じない。ただ、己の無力が悔しい。己の無様さが恨めしい。姫乃を連れ戻すまでは、絶対に、死ねない。
鬼は、爪の先についた血を、昆虫めいた動きで口のあった場所へと運ぶ。
べろり、なめずって。
軋む裏声で、笑う。
獄文字乙女は炎に燃える目で、敵を睨み付けた。動かせるのは眼だけだ。噛みちぎっても噛みちぎっても喉の奥でねっとりとのたうつ触手の塊のせいで、声も、出ない。
まだだ。獄文字乙女は身をよじった。こんな触手など引きちぎってやる。こんなところで立ち止まるわけにはゆかない。
こんなところで、斃れるわけには――！
「残念。姫乃ちゃんは」
ちりん、と鈴が鳴る。
くす、くす、笑う声が聞こえる。
幼い姫乃の姿を取った魔性が、猫の目のように瞳を光らせ、ささやく。
「生きていても死んでいる身には――もう、戻りたく、ないんだって」
目の前が、ぐらり、とゆがんだ。
嘲笑めいた残響が耳に響き渡る。
深紅の光景。
姫乃。
姫乃。
姫乃。
心が涙混じりに叫ぶ。
鋼の決意でよろっていた魂が、粉々に弾け飛んだ。剥き出しにされた心の、いちばん危うい、脆いところを、ぐさり、ぐさり、何度も致命的に突き上げられる。
やめろ……！
悲鳴すら、押しつぶされる。
血を吐く記憶の底から、心臓を手で掴まれ、えぐり出される。あらわにされ、翻弄され、鷲づかみにされ、人形のように弄ばれ、魂を陵辱され、踏みにじられる。
記憶。
やめてくれ……！
ぼたり、ぼたり、したたる深紅の記憶。跳ね飛ぶしずくの彼方に見える過去。
人のこころは、弱い。
誰かが笑っている。
涙などとうに枯れたはずだった。なのに、ぼろぼろに決壊した涙腺が血を流して、あふれて、止まらない。
絶対に姫乃を取り戻す。助ける。
そう誓ったはずなのに。
なのに、動かない。身体と心の狭間にある糸が、引きちぎられたようにばらばらになって、指一本、動かせない。
心を、砕かれた――
こんなはずではなかった。姫乃の笑顔を見るためなら、何でもできる。姫乃を助けるためなら何でもする。姫乃を生かすためならば、鬼に魂を売りもする。
こんなところで、死んでいる場合では……ないはずだった、のに。
僕に、力を下さい。
怯えの残る眼に、決死の勇気を振り絞った光を宿らせて、そう言った少年の声が、ふいに思い出された。
雷鳴のようなその言葉が、決意の共振となって身体を震わせる。
光月を手にできるのは。
光月に支配されずに鬼の力をふるえるのは。
その――少年だけだ。
だが、もう、身体が動かなかった。
首を絞められ、腕はねじ上げられ、無様に這いつくばらされ。
息すらできない。
あの少年。
身体が痙攣した。視界がかすんだ。
賽河原の血を。
鬼の血を受け継ぐ少年。
あの少年なら。
姫乃を、助けられただろうか。
あの気弱な少年ならば、血を欲する鬼の力にも呑み込まれず、”光月”の真の力を解放できただろうか。
（切り裂いてやぅウウびっち斬ってヤるぅウうぃシシシィィ！！）
狂乱の嗤いが迸る。頭上に振りかざされた漆黒の爪が、ぎらりと殺意をほとばしらせた。
（キヒャァァァ死ねイヒヒィ消えれれるぃうげぇぇぇ……！！）
きっと。
できたはずだ。
あの少年なら。
姫乃を……助けることができる……！
頼む。どうか、姫乃を。あの子を。
助けてやってくれ……お願いだ……
御桜ひより！
（死ねぇぇぇァァーーー……ッ！）
けたたましい嬌声とともに、鋭く湾曲した黒い爪が、振り下ろされた。死が眼前に降り迫る。
獄文字乙女は、悲痛な心の叫びを呑み込むかのように、眼を、ぎゅっと閉じた。
――そのとき。
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